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国境、というもの
[2008.06.23] [sawa 近況報告]
オストラヴァ人形劇場が、
札幌公演の簡単なレポートをアップしています。
http://www.dlo-ostrava.cz/novinky.php
ちなみにそのすぐ下に掲載されている報告は、
彼らの新作(このブログでは2008年2月16日に報告)が、
プラハのフェスティヴァルに招請された、というニュース。
申し訳ないっす、ぜんぶチェコ語。
ええと、時間が前後するけれど、
ポーランド公演ではとてもうれしいことが三つあった。

ひとつめ。
チェコから車でポーランド入りするときに、
パスポートコントロールがなかった。
係官もいなかった。警察署もなかった。
つまり、EUとシェンゲン協定によって、
ヨーロッパ内から(ある意味で)国境が消えたということ。
沢がはじめてプラハに来た17年前には、
こんなことが可能になるとは夢にも思わなかった。
「ここからポーランドでぇす」という内容の、
たいして大きくない看板が立っているだけだ。
そこを通過したとき、思わず叫びながらバンザイをした。
運転していたマネージャが「オマイ、あほかい?」という目で見たが、
自分の感動を伝える言葉がなかった。

ポーランドの人形劇場に着いてから、長いつきあいの芸術監督と
「すごい時代になったねぇ」と話した。
となりで聞いていた若いスタッフたちが、また、
何を言ってるんだ、この爺さんとおっさんは、という目でぼくらを
見ていた。やっぱり若い者どもにはわからんかのぉ。
国境、パスポート、ヴィザ。人間が考え出したこれらのシステムで、
どれだけ多くの人々が苦しんできたか。
この苦労については、日本にずっと住んでいる方にはおそらく
わからないだろうし、観光で外国を訪れる程度では、
本当のところは理解できないと思う。
「おまえが好きで行ったり来たりしながら、勝手にしている苦労じゃないか」
と言われれば、はい、そのとおり。
でも沢は、そういった苦労を背負うチャンスを与えられた、と考えてきた。
誰でもが自国から出て、学んだり、働いたりできるわけではないからだ。
ある意味、外に出ることを許された、そういうチャンスを与えられた
者たちだけが知っている苦労だ。
そして21世紀になってその大きな石が取り除かれた。
ベルリンの壁の崩壊、ビロード革命成立と同じぐらいの意味がある
のではないかと思う。
誤解がないように言っておきたいのは、
自国で働くことと、外国で働くことに優劣はない、ということ。
ただ、仕事によって、またその人間にとって、最適の場所、というものが
あることは確かだ。
プラハで受けない芝居をつくったら、"norisawa"は死ぬだろう。
ふたつめは、次回に。

2008.06.23 / 11:38
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