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サーロスパタークという街で
[2004.07.06] [sawa 近況報告]
サーロスパタークという街で開催された国際人形劇祭でFAIRY TALES(おとぎ話)上演。
プロデューサーが土曜日夜のメインプログラムに設定してくれたこともありがたかったし、
何よりもお客さまが本当に深く作品を楽しんでくれたことが
日を追うにつれてますます感じられて、とても嬉しかった。
車椅子の娘さんとともに観に来てくれたハンガリーの人形劇作家は
上演後、何度も何度もぼくに感動したことを伝えに来てくれた。
彼女のハンディキャップは軽そうではなかったけれど、
ファミリー全体が「劇場」を楽しんでいる形が美しかった。
他の一般のお客さまもそうなのだが、家族みんなが自然な笑顔で舞台を楽しむ、
そういう休暇を定期的に持つ、というその「形」を作り上げるまでがたいへんなはずなのだ。
面白いことがあった。
何度もカーテンコールがあり、最後にはフットスタンプコールをいただいたので、
ウシウシと取っておきの「鯰」を演って、息を切らしながらいったん楽屋に引っ込んだ。
体の汗を拭いて簡単に着がえた後、いつものように片付けのために舞台に戻ると、
そこには群がる何十人ものお客さま…
ニコニコしながら人形を持って記念写真を撮っているハンガリー人、
鯰を操りながらどこかへ歩み去る(?)台湾の関係者、
必死に制止しようとするぼくのイタリア人アシスタント、
ほぼあきらめた表情のプロデューサー…
ボク自身はというと、懐かしいその状況に思わず笑ってしまった。
ドサを演り続けていたときの経験から、
正直なところこのぐらいでは驚かないし、腹も立たない。
国によってはよくあることだ。
ただ土足で人形のまわりを歩きまわられること、
間違って人形を壊されることが心配。
人形をさわりたい、というお客さまがいる場合、いつもは手を洗って、
靴を脱いでから舞台に上がってもらうことにしている。
でもたまに、うっ、靴脱がせない方が良かったナ、という場合もあるので注意しよう。
今回は台湾から大きな人形劇団の参加があったのだが、
彼らの屈託のなさも面白かった。
今の中国や台湾の経済発展を考えると、
十数年後には彼らのカスタムやカルチャが地球スタンダードになっているかもしれない。
ま、そこまで極端でなくても、
世界の人々の暮らしの中に今以上に深いレベルで「チャイナ」が浸透していくはずなのだ。
そのとき彼らのこの「屈託ナイパワー」はどうなっているのだろう。
上演中もバシバシストロボ撮影、
ぼくらの舞台バラシの最中に勝手に翌朝の自分たちの仕込を始める
(しかもぼくの人形を押しのけて)。
アシスタントのフェデリカは激怒しまくっていたが、
かつて経済力一本で強引に世界をのして歩いた日本民族も、
その世間知らず、というか世界知らずの態度は、
ヨーロッパの人たちから同じように見られていたのかもしれない。
ま、それに比べれば台湾の人形遣いオジイチャンたちは、
愛想も良いし、温厚そうで可愛かったヨ。
2004.07.06 / 19:52

